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7限目のフルールが集大成ライブで見せた、スクールアイドルの青春と輝き【ライブレポート】

8月22日、池袋・harevutaiで『7限目のフルール ワンマンライブ2025〜晴れ舞台〜』が開催された。

2023年8月10日に長野県・佐久長聖高校「パフォーミングアーツコース」から全国初のスクールアイドルグループとしてデビューした7限目のフルール。メンバーでいられるのは高校在学中のみ。高校3年生の1期生が来年3月の卒業を前に受験等が控えていることもあり、本公演が現10人体制の集大成ライブとなった。

オープニング映像が終わり、ステージに現れた10人。静まり返る満員の会場。中央で円陣を組み、「せーの!」の合図で掛け声を発すると、ファンから歓声が上がる。

デビュー曲「青に咲くシンフォニー」でスタート。オレンジのサイリウムが輝き、コールが飛び交う。フロアを真っ直ぐな瞳で見つめるメンバーたちの表情は晴れやかだ。

自己紹介を挟み、勝見奏花が“今日のワンマンは私たちにとって史上最大の挑戦です! 皆さん、盛り上がる準備はできていますかー!”と煽り、「夢色の明日へ」。スローテンポから徐々にスピードが上がり、秒針の音で視界が広がる。ワクワク感を掻き立てる希望に満ち溢れたメロディに心躍る。

和テイストの軽やかで爽やかな楽曲「まっさらアオハルセンセーション!」でさらに気持ちを高めていく。落ちサビの流れで、清水埜々椛が無音の中、“私たちが大好きなオレンジ色の景色。いつも照らし続けてありがとう! これからもずっと……!”とファンに向けてメッセージ。メンバーも歌詞の《君と一緒に》を繰り返し、最後は《観たいんだ!》で声を合わせると、フロアにファンが準備していたオレンジのサイリウムの光が咲き乱れる。3曲目にして早くも涙腺崩壊案件。メンバーも驚きと喜びの表情を見せた。

感動もひとしお、青春恋愛ソング「てぃんとん」へ。恋する乙女心を表現した初々しく可愛らしい楽曲。《キラキラしちゃうのは どうして どうして》の後のブレイク、宮下裕萌の《わからない》の声にドキッとさせられる。

前半を終え、カバー曲パートへ。

これまで3曲のカバー曲を発表してきたナナフル。1曲目は、Fullfull Poketの「自分革命」。フルポケは2020年4月、同じharevutaiでラストライブを行う予定だったが、コロナ禍の影響で延期になり、5月に別会場で無観客配信ライブを行った。当時、harevutaiで披露するはずだったであろう「自分革命」。岡澤唯は“今日は色々な人の思いを背負いながら、ナナフルらしく全力でパフォーマンスさせていただきます!”と、曲振り。

クラップからの竹内花春の“革命のお時間です!”であの時が甦り、小倉早絢の“よいしょ!”の掛け声を合図にAメロが始まる。歌詞を胸に刻みアツく歌うメンバーたち。その情熱がカバー2曲目のサンボマスター「輝きだして走ってく」につながる。青春ドラマ『チア☆ダン』の主題歌。《負けないで》のセリフは緊張感と力強さを感じさせる。カバー3曲目は、FIELD OF VIEW「突然」。ポカリスエットのCMソング。行進曲のようなドラム音に、指ハートやピースサインなどの等身大の可愛らしい振り付けがマッチしている。

カバー曲でも青春を貫き、後半は、1期生と2期生のパートへ。

まず、1期生が初期衣装で登場。懐かしの衣装にどよめく会場。1期生のみのファーストシーズンの最後にリリースした楽曲「あの日のメロディのように」。出会いと別れを綴った歌詞に、沁み入るメロディ。グループを支え、歩んできた道のりが、ピュアでストレートな歌声に滲み出ていて美しい。

続く、セカンドシングル「君はフルール」では、竹内が“私たちと一緒に声を出しましょうー!”と、しっとりムードから明るいムードへと切り替える。メンバーの名前を叫ぶファンたち。ここでも、1年生から積み重ねてきた力が、軽やかなダンスと自信に満ちた歌声に表れていた。

1期生と交代し、2期生は2代目衣装で登場。当時の衣装に再びどよめく会場。1曲目は、セカンドシーズンの最初にリリースした「風を受けて舞い上がれ」。ギター音が鳴り響く、疾走感のあるロックナンバー。2期生ならではのフレッシュさと、力強さ、前向きな姿勢でテンションを上げていく。大野田咲穂、沢柳真生の笑顔が眩しい。

勢いそのまま、セカンドシーズン2曲目「きらめく大空に虹をかけて」へ。“まだまだ盛り上がっていくぞー!”と、アクセルを踏み、会場を沸かせる5人。先輩不在のパフォーマンスながら、これからは自分たちが引っ張っていくという気概を見せた。

1期生、2期生のパートが終わり、ラストは、元乃木坂46メンバーの若月佑美プロデュース・作詞の最新曲「キミはたからもの」へ。

10人は円になり、花が開くようなしなやかな動きを見せる。流れるようなフォーメーションと澄んだ歌声には、これまで以上の可憐さがあり、洗練されている。《going now!》からの片岡和と小倉のそれぞれのセリフ、サビの展開、裏声はクセになる。ファンも一緒に《Hey!》の掛け声。間奏では、メンバー自己紹介をコール&レスポンス。“はーい!”の挨拶一つとっても、改めて、メンバーの声質の魅力に気付かされる。

ここまで、リリース全曲を披露。

アンコールは、Tシャツ姿で「風を受けて舞い上がれ」をパフォーマンス。

MCでは、映像で最新情報を解禁。9月6日イオンスタイル上田2階イベント広場・7日タワーレコード渋谷店での『キミはたからもの』リリースイベント開催、2月21日代官山UNIT・3月1日長野JUNK BOXでの『10人体制ラストライブ』開催、そして、年内ベストアルバムリリース決定をサプライズ発表。

涙を流すメンバーたち。高柳咲彩は感極まりすぎて号泣しながらも、「きらめく大空に虹をかけて」を曲振りし、“最後まで出し切れー!”と煽る。クライマックスが近付いたところで、銀テープ発射。横一列に並び《Lalala…》を歌いながら、虹をかけるように手を横に振るメンバーとファンたち。会場が、温かく一体感のある空気に包まれた。

歌声や振り付け一つ一つがカウントダウン。最初から最後までハキハキと煽り続けてきた竹内が声を振り絞りながら“ラスト一曲”を宣言し、「君はフルール」でフィニッシュ。最後は、10人で手を繋ぎ、“ありがとうございました!”と感謝の言葉。練習の成果が十二分に発揮されたであろう、堂々たる晴れ舞台だった。

【アンコールMCでの感想コメント】

以下、2期生。

宮下裕萌「オレンジの景色は一生忘れられない思い出。今日が終わりではなく新しいスタートとしてこれからも皆さんと一緒に最高の思い出を作っていきたいです!」

沢柳真生「今日で10人のナナフルとは一度お別れです。これからは私たち2期生が、先輩方が咲かせてくださった花をもっともっと大きなものにしていきます!」

清水埜乃椛「3年間をナナフルに捧げる決意をして良かった。1期生から受け継いだ思いは忘れないように引き継ぐ覚悟はできているので皆さんついてきてください!」

小倉早絢「元気のかけらをたくさん受け取ってくださいましたか? 皆さんにとって今日のステージが2025年夏の最高の思い出になっていると嬉しいです!」

大野田咲穂「2つ約束してほしいことがあります! 1つ目はこれからも咲穂の成長をたくさん見ててください。2つ目は、ナナフルをこれからもずーっと応援してね!」

以下、1期生。

竹内花春「来年3月のラストライブまで会える時間は減っちゃうけど、その分、思う時間は増えていくと思うので、ナナフルのことをずっと大好きで応援していてください!」

高柳咲彩「新しい道に進むために準備を始めないといけないけど、まだまだ最後まで全力パフォーマンスを届けられるように成長するので最後までついてきてください!」

岡澤唯「ナナフルの活動は生き甲斐であり楽しい場所なので、受験期間もちょこちょこ顔を出して皆さんにお会いできたらと思います。卒業まで成長を見守っていただけたら嬉しいです!」

勝見奏花「(涙をこらえながら)いつも近くで応援してくださって、皆さんのオレンジ色のペンライトを見た時に、本当にこの活動を続けて良かったなと思いました。ナナフル最高です!」

片岡和「受験勉強で一旦活動を休止しますが、寂しくなったら皆さんの元へ戻ってくるかもしれません(笑)。今日は本当に会いに来てくださりありがとうございました!」

【セットリスト】

  1. 青に咲くシンフォニー
  2. 夢色の明日へ
  3. まっさらアオハルセンセーション
  4. てぃんとん
  5. 自分革命(カバー)
  6. 輝きだして走ってく(カバー)
  7. 突然(カバー)
  8. あの日のメロディのように(1期生)
  9. 君はフルール(1期生)
  10. 風を受けて舞い上がれ(2期生)
  11. きらめく大空に虹をかけて(2期生)
  12. キミはたからもの
  13. 風を受けて舞い上がれ
  14. きらめく大空に虹をかけて
  15. 君はフルール

取材・文:赤木一之、撮影:はぎひさこ

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