7月26日(土)、東京・新宿歌舞伎町能舞台で「新宿歌舞伎町春画展―文化でつむぐ『わ』のひととき」が開幕した。
新宿歌舞伎町春画展 ‐ 文化でつむぐ「わ」のひととき。
【会場】新宿歌舞伎町能舞台(東京都新宿区歌舞伎町2丁目9−18 ライオンズプラザ新宿2階)
【会期】2025年7月26日(土)~9月30日(火)
【時間】11:00~21:00/土日祝:10:00~21:00
【休館】月曜日 ※ただし月曜日が祝日の場合は開館し、翌火曜日休み
【月曜開館日】8月11日、9月15日、火曜休館日:8月12日、9月16日
※入場は閉館の30分前まで
【チケット】2,200円
【HP】https://www.smappa.net/shunga/

本展では、浦上蒼穹堂代表・浦上満氏の春画コレクションの中から、菱川師宣、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川国芳など、江戸時代に制作された春画 約150点近くを展示。
林靖高(Chim↑Pom from Smappa!Group)のアートディレクションと世界随一の歓楽街・新宿歌舞伎町のど真ん中に佇む新宿歌舞伎町能舞台という場所の特異性によって、春画の魅力を惹きだすとともに、歌舞伎町だからこそできる春画体験を届ける。

前日の7月25日(金)には、関係者・メディア向けに内覧会および記者会見を開催。監修の浦上満氏をはじめ、本展の主催者 手塚マキ(Smappa!Group会長)、アートディレクターを務めた林靖高(Chim↑Pom from Smappa!Group)が登壇した。

■手塚マキ(Smappa!Group 会長):
春画と歌舞伎町には、「一歩踏み込めば奥深さがあって、人間味にあふれている」という共通の魅力があると感じた。美術家の会田誠氏も、一部の限られた人にしか理解できないような気取った芸術作品ではなく、誰もが一緒に楽しめるような「ポップさ」こそが春画本来の魅力だと映画『春の画』で語っている。本展では、みんなに開かれたポップカルチャーだったとことを大切にご来場いただいた皆さんが一緒に輪になって楽しめるような空間を目指した。作品選びは、女性スタッフの意見を積極的に採用し、「かっこいい」「色気がある」と感じる作品を中心に選んでもらったことが、今回の展示の個性のひとつなっている。ご来場いただく皆様には、ぜひ江戸時代に想いを馳せて春画をご覧いただき、江戸時代の寛容さに触れることによって、現代の閉塞感の中でも少しでも心が軽くなっていただけたら嬉しい。

■林靖高(Chim↑Pom from Smappa!Group):
子どもの頃から浮世絵には親しんできたものの、春画は一つのジャンルとして知っていた程度だった。しかし、浦上氏がお持ちの本物の作品を目の当たりにして、インターネットで見る画像とは全く違う力強さを感じました。展示の構成では、時代ごとの作品の流れが自然に見えるように工夫。さらに、来場者が駅から歌舞伎町という街の中を通って会場に向かう動線も意識。駅からラブホテルの前を通って第一会場へ、そこからホストクラブの第二会場へ向かう、そのプロセス自体も展示の一部だと考えている。

■浦上満氏(浦上蒼穹堂代表):
手塚氏や林氏、そして女性スタッフの皆さんが中心になって作品を選んだことで、これまでにない新しい視点が加わったと感じている。春画は、選ぶ人によって全く違った印象を受けるのがおもしろい。そして、「春画を見て鬱になる人はいない」という言葉があるように 、本物の春画をご覧いただき、少しでも皆さんが元気になってくださったら嬉しい。

「新宿歌舞伎町春画展 ― 文化でつむぐ『わ』のひととき」の開催にあたり、展覧会をより深くお楽しみいただける関連イベントも多数開催する。
■8月1日(金)春画ナイト!!

109シネマズプレミアム新宿とのコラボ企画として、春画ドキュメンタリー映画『春の画 SHUNGA』の特別上映会+春画を映画館のスクリーンに映し出し、 浦上満氏×手塚マキがその魅力を語るという、春画づくしの一夜。チケットは7月30日(水)0:00より109シネマズプレミアム新宿公式ホームページにて販売開始。
■8月26日(火)・9月15日(月・祝)笑福亭羽光・茶光 × 新宿歌舞伎町春画展「春の噺 ― 落語でつむぐ『わ』のひととき」

春画と落語。 江戸時代の“笑い”と“色気”を語り継ぐふたつの文化が、新宿歌舞伎町春画展で交差。笑福亭羽光師匠と笑福亭茶光さんが、「男女の勘違い」「恋わずらい」をテーマに、二夜にわたって“春の噺”を届ける。落語のあとは、羽光師匠と茶光さんに加え、第一夜の8月26日(火)は春画展発起人の手塚マキ、第二夜の9月15日(月・祝)はアートディレクターの林靖高を迎えてのトークも開催。各チケットはArtstickerにて発売中
■9月6日(土)トークイベント上野千鶴子×鈴木涼美 「春画とフェミニズム」

春画は「笑い絵」「わ印」として江戸の女性にも親しまれ、さらに、「性教育」として性の指南書の役割を担っていたり、身分が高い家の娘さんは「嫁入り道具」として春画を持たされていたと言われていたそう。そんな春画を、現代の私たちはどう読みなおせるのかを上野千鶴子さんと鈴木涼美さんをお迎えし、フェミニズムの視点から春画を語り合う。チケットはArtstickerにて発売中
■8月6日(水)・8月16日(土)・9月3日(水)・9月6日(土)歌舞伎町の「泉」と春画を巡るスリバチ散歩ツアー

「新宿歌舞伎町春画展ー文化でつむぐ『わ』のひととき」とコラボ企画「スリバチ散歩ツアー」を新宿歌舞伎町春画展会期中に4回、開催。東京スリバチ学会会長・皆川典久とともに、歌舞伎町の隠された凸凹地形や、知られざる歌舞伎町の「泉」を楽しみながら巡ったあとには、「新宿歌舞伎町春画展」を鑑賞。最後は皆川氏によるミニトークレクチャーも開催。
8月6日(水)、8月16日(土)、9月6日(土)は、ゲストにドラァグクイーンのヴィヴィアン佐藤が美人アシスタントとして一緒にお散歩。さらに、土曜日の回は皆川のミニレクチャーのあとに、ヴィヴィアン佐藤によるミニトークが付いたスペシャルデイとなる。スリバチ散歩を通じて、歌舞伎町と春画を全身で楽しんでほしい。申し込みはこちらから。
<オフィシャルグッズ情報>

第二会場のグッズショップでは、本展で展示される春画をモチーフにしたオリジナルグッズを販売。今回の展示作品を収録した、集めて楽しいトレーディングカード、トートバッグ、手ぬぐい、クッション、豆皿、アクリルキーホルダー、アパレルアイテム、クラフトジンNe10の新宿歌舞伎町春画展オリジナルエディションなど、遊び心あふれるアイテムを取り揃える。
<音声コンテンツ配信>

新宿歌舞伎町春画展では、日本文化ラジオナビゲーターのセバスチャン高木さんをナビゲーターにお迎えして、江戸時代について、浮世絵について、そして春画についてさまざまなテーマを設け、語り合う音声コンテンツを配信。本展の予習・復習、そして江戸文化、浮世絵、春画への入口としてぜひ。ナビゲーターは、手塚マキ(Smappa!Group代表、新宿歌舞伎町春画展企画者)、セバスチャン高木(世界BF値導入推進委員会事務局長、日本文化ラジオナビゲーター)。アシスタントナビゲーターは、本屋しゃん(新宿歌舞伎町春画展プロジェクトマネージャー)。
春画が描くのは、単なる男女の営みではなく、人間の愚かさや愛おしさ、そして生きることそのもの。江戸の人々が笑いとともに楽しんだ文化は、時代を超えて今も私たちに語りかける。“禁断”とされてきたその世界を、誰もが自由に語り合い、感じ合える場所へ――。
新宿・歌舞伎町で開かれる「春画展」は、そんな「わ(和・輪)」のひとときを届けてくれるだろう。
江戸といえば……あたぼう鮨「名物煮穴子」
